日本の戦争を考えるヒント

2020年10月10日(土)
3限〜4限(13:00〜16:15)

開催回: 4回
受講料: 15,000円(税込)
学 期 秋学期前半 講座番号 20121
教 室 オンライン講座
形 式 レクチャー形式
キーワード 歴史観、戦争観、沖縄戦、戦陣訓、大田実、山本夏彦
残席数 ○  ※〇:26%以上残席あり △:25%以下残席あり ×:満席
備 考 ・1回(90分)、全4回の講座です。

講座概要

 「愛国心なきものが行う自国の歴史に対する謝罪と反省は偽善である。」   受講者に投げかける、一般の常識に反し挑戦的ともいえる一文の意味することを考えるのが、本講座の最終目標です。  愛国心は、自国の歴史に対する過剰なまでの美化を生み、私達を視野狭窄に陥れ、歴史を正面から捉えることを困難にする。自国の行った悪事から目をそらさせ、反省や謝罪の念を失わせる。冒頭の命題は、その真逆を言っているので、妄言に聞こえるかもしれません。  しかし、そう言い切ってよいのでしょうか?歴史が「Their History」である限り、そこで行われる謝罪は、偽善です。戦後日本の歴史教育の致命的とも言える欠陥です。その意味することを解説します。  「戦争」は、無辜の多くの民を苦しめ、死に至らしめる。したがって、弱者である国民は皆、戦争に反対したはずである。強者の加害者、野蛮で野心的な政治家、軍人、資本家が戦争を扇動し、弱者の被害者、農民、労働者をはじめとする国民は無理やり戦争に駆り立てられた。戦後の歴史教育の中では、そうした「戦争」の語られ方だけがされてきました。この戦争観だけで、近代日本の戦争の実像に迫ることは可能なのでしょうか?そのような理解だけでは、近代日本の歴史の歯車が、何故あのように回転したのか、その真実に迫ることはできないでしょう。  スポーツも音楽や絵画の芸術も、最初は基本を徹底的に学ぶはずです。野球を学ぶ小学生が、基本を学ばずしてイチローの変則的とも言える打撃ホームを真似してもうまくなることはないでしょう。小学生の落書きに見えるピカソの画の土台には、卓越したデッサン力があるはずです。学問も同じです。歴史を学ぶのも同じです。歴史に向き合う時の基本のフォームとは?注意するべきこととは?その基本フォームを学ばずして、いくら歴史を学んでも、歴史の女神が微笑むことはないでしょう。歴史を学ぶ醍醐味、知的興奮を味わう入り口に皆さんをお連れできればと考えています。

修了条件

全講座回数の4分の3以上の出席および担当教員による判定

講師紹介
慶應義塾大学 法学部 教授 玉井 清
慶應義塾大学法学部教授(法学博士)。専攻:近代日本政治史(政治家、言論人、思想家、政党、選挙、メディア、プロパガンダ、を主対象とする歴史研究)。ハーバード大学(ライシャワー研究所、イェンチン研究所)、 中央研究院(台湾)、オックスフォード大学(日産・日本研究所)、各研究所の訪問研究員を歴任。 主要著作:『写真週報とその時代』(編著、慶應義塾大学出版、2017年)。『第1回普選と選挙ポスター・昭和初頭の選挙運動』(慶應義塾大学出版、2013年)。『原敬と立憲政友会』(慶應義塾大学出版、1999年)。『満州事変の衝撃』(共著・頸草書房、1995年)。『大麻唯男』(共著、櫻田会、1995年)。
スケジュール
日 時 内 容
2020年10月10日(土)3限〜4限(13:00〜16:15) 主題:近代日本の戦争について
説明:歴史を研究する際の基本フォームを確認した上で、日清戦争、日露戦争、第1次世界大戦、満州事変、これらの戦争が日本の政治、社会、経済に及ぼした影響について考えてみます。戦後の歴史教育の問題点にも切り込んでいきます。
2020年10月17日(土)3限〜4限(13:00〜16:15) 主題:沖縄戦の語られ方の問題について
説明:沖縄県民の敵は誰だったのでしょうか?日本軍ではなく、米軍であったはずです。しかし、戦後の語られ方は、異なる印象を抱かせます。日本軍は、悪逆非道な組織だったのでしょうか?その問題に切り込みます。

受講のお申込み
開催回:4回 受講料:15,000円(税込)