2020年10月31日(土) |
4限〜5限(14:45〜18:00) |
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開催回: |
4回 |
受講料: |
15,000円(税込) |
学 期 |
秋学期後半 |
講座番号 |
20131 |
教 室 |
オンライン講座 |
形 式 |
レクチャー形式 |
キーワード |
中小企業、事業分野に関する戦略、東アジア企業とのすみわけ、基本トレンド、高付加価値分野、マーケティングに関する戦略、市場のつぶやき、顧客を味方に、ワン・トゥ・ワンマーケティング、技術開発に関する戦略、経験技術、現場主義 |
残席数 |
○ ※〇:26%以上残席あり △:25%以下残席あり ×:満席 |
備 考 |
・1回(90分)、全4回の講座です。・この講座は、拙著『複眼的中小企業論〜中小企業は発展性と問題性の統一物〜改訂版』(同友館 2018年)、同『独立中小企業を目指そう』(同友館 2015年)が元になっている。参照していただければ幸いである。 |
1990年代以降、中小製造業は大企業の生産の東アジア化により、大規模な市場縮小に見舞われた。日本の中小企業は優れた技術を持っていたが、大企業に市場を依存していたため、市場から脱落する企業が続出した。その中にあって、大企業に頼らず、自らの力で市場創造に成功している中小企業が現れている。その市場創造戦略の特徴を@事業分野に関する戦略、Aマーケティングに関する戦略、B技術開発に関する戦略に分けて分析する。
@事業分野に関する戦略:市場創造に成功している中小企業は必ず自らの事業分野を明確に定義している。それは、一般的に言うと、東アジアの企業とすみ分けられ、市場の基本トレンドにも乗っている多品種少量の高付加価値分野である。
Aマーケティングに関する戦略:日本の中小企業は何を作るか、何を開発するかは大企業の指示に頼っていたのでマーケティングの力は弱かったが、この弱点を克服する中小企業が現れている。そのマーケティングの特徴は「市場のつぶやきを聞き取る」、つまり、個々の顧客との情報受発信により顧客需要の創出を図る「ワン・トゥ・ワンマーケティング」である。
B技術開発に関する戦略:市場創造のための中小企業の技術開発は、現場での失敗体験、成功体験を基にした現場発の「経験技術」が武器になっている。「経験技術」はその企業固有の技術で、差別性が強いからだ。
C「場面情報」の重要性:以上が市場創造のための主要3戦略の特徴だが、ABは共にその場その場で発生する「場面情報」を基にしている点で共通している。「場面情報」の本質は単なる断片の集まりにしか見えない事象の背後にある秩序を暗に察知する「暗黙知」である。この「暗黙知」こそが創造の源であり、市場創造に重要な役割を果たす。
本講座では以上について実例をふんだんに用いて説明し、実務にも役立つようにする。中小企業にとって現下のコロナ不況を突破することが最大の課題だが、不況に有効に立ち向かっている中小企業は、以上の4点を実施していることを具体例で示す。
全講座回数の4分の3以上の出席および担当教員による判定
アジア中小企業協力機構理事長(元嘉悦大学教授)
黒瀬 直宏
略歴:1944年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒、東京都立大学大学院社会科学研究科修士課程修了。元専修大学商学部教授・嘉悦大学ビジネス創造学部教授。特定非営利活動法人アジア中小企業協力機構理事長。博士(経済学)。
専門:中小企業論(理論、歴史)、中小企業政策論、アジア中小企業論。中小企業の取材に基づく理論構築を得意としている。
主な業績:『複眼的中小企業論〜中小企業は発展性と問題性の統一物〜改訂版』(同友館 2018年)、『独立中小企業を目指そう』(同友館 2015年)、『中小企業政策』(日本経済評論社 2006年)、『中小企業政策の総括と提言』(同友館 1997年)
日 時 |
内 容 |
2020年10月31日(土)4限〜5限(14:45〜18:00) |
主題:事業分野とマーケティングに関する戦略 説明:「講座概要」の@Aを説明する |
2020年11月07日(土)4限〜5限(14:45〜18:00) |
主題:技術開発に関する戦略と市場創造戦略における「場面情報」の重要性について 説明:「講座概要」のBCを説明する |