中小企業の組織・人材戦略〜情報共有と目的の自己管理が鍵〜

2020年11月14日(土)
4限〜5限(14:45〜18:00)

開催回: 4回
受講料: 15,000円(税込)
学 期 秋学期後半 講座番号 20132
教 室 オンライン講座
形 式 レクチャー形式
キーワード 中小企業、組織・人材戦略、情報共有型組織運営 分散認知の原理、情報共有ループ、目的の自己管理、内発的動機付け・外発的動機付け、自律性への欲求、達成感への欲求、よき人間関係への欲求
残席数 ○  ※〇:26%以上残席あり △:25%以下残席あり ×:満席
備 考 ・1回(90分)、全4回の講座です。・この講座は、拙著『複眼的中小企業論〜中小企業は発展性と問題性の統一物〜改訂版』(同友館 2018年)、同『独立中小企業を目指そう』(同友館 2015年)が元になっている。参照していただければ幸いである。

講座概要

 中小企業にとって厳しい経営環境が続く中、今発展している中小企業に共通しているのは、情報共有と目的の自己管理を柱とする組織・人材戦略である。こういう企業では新たな事業展開が活発であり、労働者の働く喜びの実現にも成果をあげている。本講座ではこの戦略を具体的に示しながら、なぜそれが事業展開と労働者の働き方に有効な作用を持つかを説明する。重要点は次のとおり。 @情報共有的組織運営は企業の情報発見能力を高め、新たな市場機会の獲得を促進する。というのは、人は認知活動を自分の頭の中だけで行うのではなく、他の人やモノに分散している情報を活用する情報共有システムを形成し、自分自身をその一部にして行うもので(分散認知の原理という)、それを企業組織においても実行しているからである。 A情報を共有するループには顧客や他企業との共有ループと企業内での共有ループがあり、企業はこうした情報共有ループの束と考えるべきである。 B情報共有ループの構築で密度の濃い情報共有に成功している企業ほど経営パフォーマンスが良いことをアンケート調査結果により実証する。 C情報共有は従業員の自律性を高め、働く喜びを高める効果もある。この点でもう一つ重要なのは、従業員に自分の目的を自分で選択できる余地を与え、PDCAサークルを回してもらうことである。 D情報共有と目的の自己管理は、人間の生得の欲求である「自律性への欲求」「達成感への欲求」「よき人間関係への欲求」を満たし、内発的動機による行動を可能とするため、働く喜びと能力発揮を高めるのである。組織を構成する人材への戦略はこの3欲求を満たすことを目的とすべきである。 E以上の情報共有と目的の自己管理を柱とする組織・人材戦略は官僚制的な組織を持つ大企業ではなく、人と人の距離が近い中小企業でこそ有効に実施できる。ただし、この戦略には民主的な人間関係観に立つ「経営パートナー主義」というべき経営哲学が必要である。  以上の説明に当っては事例を豊富に用い、実務にも役立つようにする。現下のコロナ不況との闘いに関しても、情報共有型組織運営が有効に働いていることを具体例で示す。

修了条件

全講座回数の4分の3以上の出席および担当教員による判定

講師紹介
アジア中小企業協力機構理事長(元嘉悦大学教授) 黒瀬 直宏
 略歴:1944年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒、東京都立大学大学院社会科学研究科修士課程修了。元専修大学商学部教授・嘉悦大学ビジネス創造学部教授。特定非営利活動法人アジア中小企業協力機構理事長。博士(経済学)。
 専門:中小企業論(理論、歴史)、中小企業政策論、アジア中小企業論。中小企業の取材に基づく理論構築を得意としている。
 主な業績:『複眼的中小企業論〜中小企業は発展性と問題性の統一物〜改訂版』(同友館 2018年)、『独立中小企業を目指そう』(同友館 2015年)、『中小企業政策』(日本経済評論社 2006年)、『中小企業政策の総括と提言』(同友館 1997年)
スケジュール
日 時 内 容
2020年11月14日(土)4限〜5限(14:45〜18:00) 主題:情報共有型の組織運営
説明:「講座概要」の@ABを説明する
2020年11月28日(土)4限〜5限(14:45〜18:00) 主題:内発的動機付けの人材戦略
説明:「講座概要」のCDEを説明する

受講のお申込み
開催回:4回 受講料:15,000円(税込)